Case study

貿易事例

建材メーカーX社  日本式の建材を世界に輸出したい!

2014-02-24

海外生産立ち上げから販路開拓までをサポート

日本の建材メーカーX社は、日本の建材業界では知名度も高く、主たる大手住宅メーカー全社と取引がある素晴らしい企業です。

その企業担当者様が、弊社を訪問されたのは2011年6月。
これまで日本国内での販売のみだったが、今後の住宅着工数の減少を考えると、今後は自社の建材を海外販売したいと考えておられました。
既知の大手商社に打診をしたところ、大手商社が期待するほど事業規模が大きくないこと、取り扱い部署が無いことなどを理由に商談は進展せず、後日その商社の方から、弊社を紹介いただたとのことでした。
海外進出にあたり、貿易知識も販売ルートもないため、海外進出の協力をして欲しいというご依頼でした。

そこで、弊社の海外ネットワークを駆使し、韓国、シンガポール、マレーシア、台湾などの企業訪問を実施。そこで得た結論は『円高により製品価格が高騰し、興味を示さない』というもの。当時の為替は1ドル約80円前後。この結論には納得せざるを得ない部分もありました。

しかし、弊社ではこれまでの経験やノウハウを総動員し、あるご提案を行いました。

海外進出スキームを一から立ち上げ

その提案とは、汎用商品については海外で生産し、プレミア商品のみ国産で海外進出を進めるという構想でした。さらに、汎用商品の素材は国産ではなく、海外市場のニーズを満たすグレードの素材を第三国から調達するという、実現すれば大幅なコストダウンが可能となるスキームを作り上げました。

言葉で言うと簡単ですが、実行は困難を極めました。工場設置国や素材調達国の選定はもちろんのこと、海外法人の立ち上げ、日本並みの品質管理の実現、販路開拓など、多くの課題を一つひとつクリアに。

弊社が特にサポートした点は、素材調達と品質管理、そして販路開拓です。素材調達と品質管理については、約半年を掛けて試作、テスト生産、日本の技術者に指導による改良を重ねて品質をクリアしました。
販路開拓では、今回の商品は海外の建材関係者にとって未知の商品だったため、商品特性や従来商品との違いを説明をしてもイメージしてもらえず苦労しました。それでも各国で出会った販売代理店候補の会社を通じて各国内で地道な営業活動を行い、ついに取引スタート。お客様が初めて弊社を訪問されてから、ここまで約2年半が経過していました。

途中、価格の交渉や品質の改良等様々な挫折ポイントがありました。お客様や海外パートナーとの合言葉は『NEVER GIVE UP』。三者がお互いに信頼し鼓舞する関係が結べていたからこそ、このビジネスモデルを構築できたと考えています。

海外進出には『覚悟』が必要

将来の投資として海外進出に取り組む場合、人材や資金の投下、長期的な視野、柔軟な発想、の3つが必要です。弊社では海外進出のお問い合わせをいただいた場合、真っ先にこの点についての覚悟をお持ちかどうかをお聞きしています。

今回のケースでは2年半の時間を要しましたが、弊社は海外取引開始に満足している訳ではありません。一日も早く事業を軌道に乗せていただき、X社様の海外事業拡大に貢献できるように尽力していきます。弊社では、今後も海外でのさらなる人脈形成、情報収集ネットワークの構築をすすめ、今後のご相談に備えていきます。
※画像はイメージです。

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