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IMAGINATIVE MATERIALS@MAISON&OBJECT2020

2020-02-21

シンガポールのコンドミニアム併設のジムも4月末まで閉鎖になってしまったので自宅周辺のジョギングと自重トレーニングに励んでいる毎日です。

皆様も新型コロナウィルスの対応に追われている事と思いますが、今はじっと耐えて反転できる時まで今だからできる事に集中したいと思います。
私も3月の出張は全て中止、今後、暫くはシンガポールに滞在せざるを得ない状況ですし、これまで毎週のように長距離フライトだったので、今はじっくり考える時期だと思っています。
逆にオンラインであれば移動時間も無いので、今まで参加できないかった勉強会などにもさっと参加ができてこれはこれで有意義だと実感しています。

さて、少し前になりますが、2020年1月17日から21日までパリで開催されたMAISON&OBJECT(インテリアの世界最高峰の展示会と言って良いでしょう)に
IMAGINATIVE MATERIALSというタイトルの下で出展してきましたので、今日はその事について書きたいと思います。

今回出展した主な目的は日本の12の中小企業とフランスのインテリアデザイナー等との協業により日本の中小企業を海外ラグジュアリーマーケット展開を実現させる事でした。

具体的には、展示会出展だけではなく事前の準備も含め、以下の取り組みを行いました。

パリの著名コンセプトショップMerciの共同経営者ジャン・リュック・コロナ氏を日本に招聘して講演会を開催し、その上で各企業毎に海外ラグジュアリーマーケット攻略の為の個別アドバイス会を実施。

ラグジュアリーマーケットで活躍している4名のフランス人を日本に招聘し出展企業12社を訪問し、商品の選定や見せ方、展示の方法等についてワークショップを行い、フランス人各人にレポートを作成いただき各社に提出。
(この4名の内、3名はフランスではプレスクリプターと呼ばれクライアントに建築素材の選択権限を与えられていたり、クライアントに助言するアドバイザーのような立場にある。また1名はクリエイティブディレクターでクライアントに対して製品のデザインや設計を行っている方々です。)

企業訪問期間中に並行して動画や静止画の撮影を行い、カタログを作成したり、展示会期間中に流す映像に活用しました。また、各企業用にポストカード大のカードを作成し商談中にインパクトを残す施策を講じたり、現地のコーディネーターの方に欧州の著名な建築家やインテリアデザイナーをご紹介をいただき約350社にメールでの招待状をお送りしたり、更に可能性の高いプリスペクターには事前にカタログを送付する等、準備をしてきました。

また、当然の事ながら、サンプルの発送、現地での受け入れは非常に重要なポイントです。
事前に船会社と連携してスムーズに発送手配、現地での開梱、終了後の梱包、出荷までサポートしました。

現場ではフランス語のみならず、英語、スペイン語、イタリア語、中国語、韓国語等
様々な言語に対応できる通訳の手配と共に弊社社員も英語、フランス語で商談をサポートしました。

更に素晴らしかった事は前述のフランス人の4名が自分達のクライアントを招待してくれた事で誰もが知るような世界の著名ブランドのバイヤー等とも商談ができた事です。

一方で、モノがきちんと流通していくのは、本当に難しい事だと改めて感じました。
世界中に素晴らしいものはいくらでもある中で、その会社のその製品を知っていただき、使っていただく事は並大抵の努力では実現しません。
下の写真にあるようにこのような大きなブースの中に何千社もある訳ですし、この展示会に出展している企業数は世界中にある企業数の中から考えれば砂漠の砂粒のようなものです。
しかし、世界に出ていくとは正にこういう事です。

私が日本の中小企業が世界に出ていく上で必要な要素は4つあると考えています。

その企業ならではの独自性があるか?
潜在的なニーズを掘り起こせるのか?
価格の妥当性はあるのか?
相手国が望むデザインになっているか?

元々、日本ならではの素材や技術をもった企業を選定させていただいていますので今回フランスの方々と協業する事で、このような課題についても事前にクリアーにする事ができたと考えています。

今回のプロジェクトで一緒に参加した企業をご紹介いたします。

株式会社丸東
食器の加飾の繊細な技術を応用し欧州にはない特色のデザインが特長。

株式会社島安汎工芸製作所
漆に炭や紅殻、砥粉を混ぜた独自開発の塗料を施した板材の壁面を提案。

菅原工芸硝子株式会社
職人よる繊細な食器の技術を活かした硝子の建材を提案。

株式会社小倉縞縞
江戸時代に使用されていた小倉織の特徴を継承し欧州高級カーテンメーカーからも引き合いが

株式会社JIKU ART CREATION
アートとインテリアの両面の顔を持つ独創的な硝子インテリアが印象的

株式会社小泉製作所
日本の伝統の「おりん」の製造で培った心地良い音色を活かしたドアベルが好評

藤田金属株式会社
ライフスタイルに溶け込むお皿になるフライパン、欧州小売店からの引き合いも活発

株式会社ユニオン
大量生産よりも一点物を得意とする、日本の歴史的な建造物にも多く使われている秀でたデザインと技術

アベル株式会社
塗装ではなくステンレスに特殊な加工をする事で様々な模様に、堅牢度に優れ内外装に使用可能

株式会社 MACHICOCO
チタンに特殊な加工をする事で和紙のような金属に、更に変色の加工をしてインテリア素材に活用

株式会社加納
世界的にも稀な技術を活かして3次元のタイルを提案

有限会社モメンタムファクトリー・Orii
高岡の伝統的な銅の加工技術を活かしてアートパネルや器を展開

出展者の皆様、サポートいただいた方々と記念撮影

撤収作業終了後は深夜の中華系ラーメン屋さんで反省会

今回のプロジェクトでお世話になった方々と

昨年秋にフランスの方々と行った12社行脚の車中風景
秋晴れの車内のこの雰囲気が好きです。
心の中ではまた実現させていと思っています。

番外編
経費節減でパリではairbnbに宿泊していました。
近くのスーパーでパンとアボガドと卵を買ってきて毎朝アボガドトースト食べていたのも今となっては懐かしい思い出です。

展示会は終了しましたが、現在も数社と継続的に商談を行っており、少しでも多くの成約ができるように鋭意尽力しているとことです。ここが行政ではできないポイントであり、弊社の強みだと考えています。
今回の経験を活かして、更に発展できる作戦を練っています。

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