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仕事の原点について。

2014-04-29

菱沼貿易の菱沼です。

ここシンガポールでは今の時期が一番暑い時期です。
ただ、日本の夏のように36度以上になる事はほとんどありません。
そうですね。だいたい34度位まででしょうか。
日本の真夏にシンガポールに来ると、とても涼しく感じます。
是非、日本の真夏の避暑にシンガポールにいらして下さい。

さて、今日は僕の仕事の原点について、少し書きたいと思います。

僕が前職の商社に就職したのが1992年4月。
大学では中国語学科を専攻していましたが、配属されたのはインドネシアを中心に
木材や家具等を取り扱う総勢5名の小さな部署でした。

配属日の初日、まず驚いたのは、この部署の男性陣4名は全員インドネシア語が
堪能で、当然と言えば、当然ですが、電話で何を話しているのか、全く見当もつかず、
とても不思議な空間だった事を覚えています。

入社早々は、本で読んだ上面の貿易業務知識しかなく、まともに英語も使えません。
今のようにメールもありませんでしたので、海外支店等との交信はテレックスを
使用しており、その文面は暗号のようなショートライティングで書かれている
ために、仕事の内容を理解するのに随分と時間を要しました。

そして、あまりに仕事ができないために、毎日にように先輩、上司に叱られ、
果たして社会人としてやっていけるのか、そんな不安な毎日を過ごしていました。

そんな中、1993年2月に初めてインドネシアに商品の検品を目的に2ヶ月
の長期出張をする事になりました。インドネシアと言っても、僕が主に滞在する
のは、駐在員事務所があるジャカルタ等の都会ではなく、カリマンタン島にある
バンジャルマシンという町でした。
最初の1週間は先輩が付き添い仕事の進め方や、生活の仕方等教えくれました。

そこで、まず、問題だったのはインドネシア語しか通じないという環境です。

早朝から日が暮れるまで商品の検品をするわけですが、規定外の商品が混じって
いて、検品ではねると、現地の工場の社長が飛んで来て、けんかになったり、
日本からは、以前出荷した商品が品質問題になっている為、クレーム交渉の指示が
ファックスが送られてきて、板挟みになりながら、継続的なビジネスをするため
にはどうすれば良いのかと、拙いインドネシア語で社長や従業員の方と話し合い
を繰り返しました。

そんな毎日の中で一番役にたったのが、インドネシアー日本語辞書です。
この辞書と手帳をいつも後ろポケットに入れ、聞いた言葉をまずカタカナで手帳に
書きとめそのカタカナを頼りに、辞書で意味を探し、理解した言葉を実際に使ってみて、
話が通じれば、この使い方はあっているなと、そんな作業を繰り返し、少しづつ
語彙が増え、会話ができるようになっていきました。

僕の最初の長期出張は4ヶ月に延長され、その後も出張を繰り返し、結果的に
最初の3年間の内、約1年間をインドネシアで過ごす事になりました。
そして、仕事の内容は検品から、お客様のアテンドや価格交渉等契約にまつわる業務
に変化してきました。

入社間もない、仕事もできない僕に長期出張を命じ、インドネシアで一人現場に放ち、
仕事の機会を与えてくれた上司や会社に対して、僕はとても感謝しています。
あの出張がなければ、当然インドネシア語を覚える機会も、現地の方々と必死の交渉も
コミュニケーション方法を習得する事ができなかったからです。
あの環境は、今から思えば相当過酷でしたが、僕の大きな財産になっている事は
間違いありません。

これからも仕事の原点を忘れる事無く、今度は自分の会社の社員にも人生を豊かにする
良い経験ができるような機会を作っていきたいと考えています。

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