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商社って何?

2016-07-03

おはようございます!菱沼です。

昨晩、台湾からシンガポールに戻りました。
先週はバンコクでした、その前の週はシンガポールで日本からいらしたお客様の
アテンドや、マレーシアに出張しておりました。
実は、明日からまた別のお客様をアテンド致します。
海外出張やお客様のアテンドばかりして一体何をしているのだろうと思われる方も
多いかもしれません。

僕達が行っている仕事を一言で言うと、
『世界を舞台にビジネスを創出し、投資や物資の売買を行っている企業』になるかと
思います。

業務の内容は、主に以下の通りです。海外という主旨は、自国以外という意味です。

① 貿易取引に関する業務
② 海外事業戦略立案
③ 海外調達先開拓
④ 海外販路開拓
⑤ 海外市場調査
⑥ 海外事業パートナー開拓

日本企業であれば、日本の製品をシンガポールで販売する事がビジネスになりますが、
それだけでなく、例えばシンガポールの企業の製品を日本で販売するといった逆の流れの
ビジネスも当然あり得ます。そのようにして、世界を俯瞰し、どの国にどのような需要が
あるのか、或いは市場を創出できるのかなどを日々考え、それを実行に移し、検証し、
ビジネスを実現させていく事が僕達の仕事です。


FBでも少し触れましたが、台湾でも幾つか取引があります。

今回の出張の目的は大きく3つありました。

1)日本製ステンレスシンクの新商品提案(日本から台湾への輸出)

日本のステンレスシンクメーカー様の製品を台湾のキッチンメーカー様に
販売させて頂いております。キッチンメーカーというよりは、キッチンを
起点にインテリア製品全般の製造を行っている総合インテリアメーカーと言っても
良いでしょう。定期的にコンテナの単位で輸出をしておりますが、日本の
メーカー様も6年くらい前までは、輸出実績がほとんどありませんでした。
しかし、台湾は特に親日国でもあり、日本式の住宅設備を受け入れる素地が
ありました。台湾国内でも、日本式のキッチンは最高級バージョンです。
日本製に続いて、韓国製、台湾製そして廉価版は中国製という使い分けを
されています。韓国製より倍近い価格であっても、品質面で優れている点が
台湾でも評価されているとの事です。今回は、相当額の設備投資を行って
開発された恐らく世界でも稀に見る技術の結晶のような新製品の提案を
行ってきました。まだ、契約はできておりませんが、台湾企業の社長は
「この商品なら、なお売れる!」と、興奮気味でしたので恐らく年内には契約を
頂き、来年の売り上げが伸びる事を期待しています。

ここでのポイントは、価格を上回る品質や製品に対する評価が伴っている点です。
多くの日本人は、もしかするとまだ錯覚しているかもしれませんが、既に、
MADE IN JAPANで売れる時代ではありません。日本の技術やその技術に裏打ち
された品質や機能が備わって初めて評価されるのです。決してMADE IN JAPAN
だから売れるわけではありません。


2)日本製建材の販売先の営業フォローアップ(日本から台湾への輸出)

これは一般的には不燃化粧板と呼ばれる製品ですが、(特長は火にも強く水にも強い)
私も日本のメーカー様にお会いするまでは、何の知識もありませんでした。しかし、
その後、調べてみると日本では30年以上も前から開発、販売されている製品ですが、
日本以外の国では全く使用されていない事が分かりました。ただ、日本での歴史を辿ると
この日本のメーカー様が開発した後、3−5年程度でほぼ日本の陶器タイルの市場
(壁材として)がこの製品に入れ替わってしまったのです。その要因はいくつかあるの
ですが、一番の要因は施工時間が大幅に短縮され、施工コストが激減した事です。
それ以外にも機能面で優れている点はあります。この製品そのものも優れていますが、
この製品が作り出す新しい空間が評価されたのだと考えます。
東南アジア各国でも今後ますます人件費は上がってきますし、シンガポールに於いては
日本同様に労働者不足が問題となっています。そういう観点で僕はこの製品に時代が
追いつくと考えています。

ただし、課題も多く解決していくことも山積みです。その一つがどうやって施工するのか?
誰が施工の責任を取るのか?という問題です。今回、訪問した台湾の企業様は、そのような
リスクをとって小さな物件から実績を積み上げ、自社のノウハウを蓄積しています。
今はまだ大きなプロジェクトの実績はありませんが、先日も台北市内の病院内のトイレ、
洗面台周辺の改装を受注し無事に施工も終了しました。台湾に於いては小さな実績を
ベースに大きなプロジェクトへの参入を目指したいと考えています。


3)歯間ようじの新商品開発(台湾から日本への輸入)

非常にニッチな商品ですが、どなたでもご存知かと思います。
日本市場には、大きく中国製と台湾製の2つの原産地の商品が流通しています。
当初、日本のお客様は中国製の商品を取り扱いされていましたが、より良い品質の
商品を模索されている中で、台湾の工場を調査し、実際に数社を訪問し、価格と品質
比較検討した中かから1社を抽出しご提案をさせて頂きました。
その結果、中国に発注されていたものを弊社にご発注頂くようになり、
日本の100円ショップやスーパーなどに、弊社のお客様を通じて販売させて頂いて
おり、現在も継続的にお取引をさせて頂いております。



こう見ても、商材も国も全く違います。(先週のタイの出張も然りです。)
何かバラバラに動いているように見えるかもしれないのですが、僕達の中では大切な
ルールに則って動いているのです。それは、

モノありきではなくヒトありき と言うルールです。

お取引をさせて頂く皆様とのビジョンを共有し、同じ目的や目標に向かって仕事が
できるのか、そう言う事に非常にこだわって仕事をしています。
一般的には、商社は、モノに属性があって、例えば食品商社とか建材商社とか、
自社の得意分野を深く掘り下げビジネスをしています。一方で僕達は、モノには
それほどこだわってはいません。モノ以上にヒトにこだわっているという表現が
正しいのかもしれません。日本の多くの中小企業が世界で戦える土壌を創っていこう
という僕達の考えを実現する為には、あまり商材にこだわりすぎると対象の企業を
せばめてしまいますし、相互の信頼関係なしに、単に売った買ったの関係では、
中長期にビジネスを行う事は難しいと考えているからです。

ある投資家の方とお話をした際に、如何にサステイナブルなビジネスが創れるかが、
肝心だと助言を頂きました。大手の商社であれば、あらゆる事業に投資を行い、
製造から流通、販売に至るまで企業を傘下におさめグループ会社にしてしまいます。
しかし、僕達のような小さな会社では、それはまだできません。従って、人が全て、
人が全てを創り上げていくのです。正にそのサステイナブルなビジネスを構築して
いく為にも、社員一人一人が国を問わず、業務の内容にかかわらず、全ての関係者
から信頼される会社を目指しています。

菱沼 一郎

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