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貿易コラム記事

食事……と、世界。

2021-08-18

日本と世界の違いを考察していく上で、避けて通れないのが食事です。

自宅で家族全員で食卓を囲む……というのが、昔の日本の原風景と言われることもありますが、世界各国に目を向ければまた日本とは異なった食事スタイルがスタンダードです。だからこそ、朝食は日本を含めた世界各国の“お国柄”が出るような気がします。

「食事を見れば、その国の文化や考え方の一端を垣間見られる」という気持ちで、世界各国の食事を見ていきましょう。

文化的に外食やテイクアウトが一般的な台湾

ひと昔前の日本では、自宅で食事する毎日の中で、「明日はハレの日だから外食しよう」という発想で、外食は何か特別な日に行うというのが一般的でした。現在の日本では共働きが増えたり国全体が豊かになったことで、外食そのものがより一般的になりました。

例えば、台湾は外食文化が非常に発達している国として、日本でもよく知られています。自宅で自炊するよりも、外食したり、屋台やスーパー、さらにはコンビニなどでテイクアウトできる食事や弁当を購入し、それを自宅で食べることの方が一般的です。特に若い人たちの外食率が高く、一人暮らし向けの賃貸物件にはそもそもキッチンが付いていないケースが多いようです。また、屋台で食べたり、スーパーマーケットやコンビニで食事を購入して食べた方が、自炊するよりも圧倒的に低コストで済むことも外食比率を高くしている原因のようです。実際に台湾では日常的な食事が、外食なら1食50台湾ドル(約200円)で食べられます。逆に、スターバックスコーヒーがコーヒー1杯105台湾ドル(約420円)程度と、日本では想像できない物価感覚でもあります。しかしながら、台湾もこうした食文化によって近年は国民全体の肥満が社会問題化しており、外食中心の食文化を改めるべきという声も聞かれはじめています。

代表の菱沼によると、シンガポールでは公団住宅の1階に、たいていフードコート(ホーカーセンターと呼ばれるもの)が設置されており、そこで食事やテイクアウトができる飲食店があるのだそうです。

お国柄が垣間見える世界の朝食たち

日本でも、朝ごはんとしてご飯に味噌汁、玉子焼き…といったメニューを食べている人は少数派かもしれません。パン食の人も多いでしょう。そこで、世界の国々の朝食はどんななのか調べてみました。

アメリカはなんとなく牛乳とシリアルがイメージとしてありますが、オートミールやオムレツ、パンケーキなどもよく食べられています。また、学校給食で朝食が提供されており、すでに50年以上の歴史があります。その多くが無料となっており、貧困家庭の子どもに栄養の摂取を促すと同時に、学校に登校する動機となっています。

イギリスは、日本でも有名な「イングリッシュブレックファースト」がメジャーです。トーストとスクランブルエッグなどの卵料理、ベーコンやソーセージ、ポテトなどが添えられています。日本でも宿泊施設などで提供されていますね。

フランスの一般的な朝食は、バゲットにジャムを塗った「タルティーヌ」と呼ばれるものをコーヒーやカフェオレと一緒に食べるだけ。とても軽いです。

ロシアは、いわゆるオートミールの『カーシャ』が朝食の定番メニューとなっています。これは麦を牛乳で甘く煮たもので、ジャムやドライフルーツを加えて食べると美味しいです。また『ブリヌィ』と呼ばれるクレープも定番のひとつです。

韓国は朝食を大切にする文化があり、日本よりも朝食摂取率が高いです。主食は白米で、チャプチェなどのおかずが数品並びます。もちろんキムチは朝ごはんでも食べます。

また、先ほど紹介した台湾をはじめ、タイ、ベトナム、香港などの国々では、朝食を外食する文化が広く根づいているようです。

日本の料理教室が海外で人気に!

さまざまな日本や日本以外の国々の食事についてご紹介してきましたが、コロナ禍によってそうした食文化も少しずつ変化を遂げているようです。

菱沼によると、シンガポールや中国でこれまで存在しなかった『料理教室』が大盛況だそうです。中でも、日本国内に数多くの料理教室を展開している『ABC Cooking Studio』が、現地の人々に大人気だというのです。実際にWebサイトを見てみると、中国国内に20カ所近い教室を開き、香港、台湾、シンガポール、韓国、タイ、マレーシア、インドネシアなどに『ABC Cooking Studio』を展開していました。教室で習うのではなくインターネットで調べることで、新しい料理のレパートリーを増やすのが一般的になりつつある日本。一方、料理教室で料理を習う文化を持たなかった国々で、日本の料理教室のスタイルで学ぶことがトレンドになっているというのは、なんとも不思議な感覚です。

世界各国の食習慣から垣間見えることは『日本の常識は、世界では非常識』ということ。『朝はしっかり食べないと不健康』という日本人の常識から考えれば、フランスのように朝食を軽く食べる文化を持つ国は、多くの国民が不健康のはずですが、そんなことはありません。食べるものが違えば、考え方や捉え方が異なるのは当然です。そうした日本以外の国で、貴社の商品を認知してもらい、人気商品に育てるには相当の努力と忍耐、考え方の変革が必要です。本気で海外進出をめざすなら、その道のプロのサポートが必要となるでしょう。

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